軽ワンボックスに限らず、車を運転する人にとって突然の雪は困りものです。
北国のように冬の間は雪があるのが当たり前という方ならともかく、普段、あまり雪が降らない地方に住んでいる方にとって、雪道を走るのは怖いものです。
現在での雪道対策と言えば、乾いた道路も雪道も走れるスタッドレスタイヤが主流ですが、2014年2月14日に首都圏を襲った爆弾低気圧による大雪では、スタッドレスタイヤでは役に立たず、立ち往生してしまう車が多くて、渋滞してしまうという状態になりました。
そんな大雪は滅多にないとしても、スタッドレスタイヤだけでは不安な雪道を走らなければいけない場合もあります。
そんな時の対処法としては、スタッドレスタイヤの上に金属チェーンを履いたり、スプレー式タイヤチェーンをスプレーするなどがありますが、近年、注目を集めているのが『布チェーン』と呼ばれるものです。
布チェーンというのは、その名の通り、ポリエステル繊維などの特殊な布でできているタイヤチェーンのことで、金属でもゴムやプラスチックなどの非金属でもないまったく新しいタイヤチェーンです。
布チェーンのメリットとしては、収納性と装着性に優れていることです。
素材が布製ですから折りたたんでコンパクトに収納できることや袋状のものをタイヤにかぶせるだけなので女性でも簡単に装着できることから、自動車ディーラーでも取り扱いを始めたことで話題になりました。
しかし、いくら収納性に優れていて、装着が簡単だとしても、雪道で使い物にならなければ意味がありませんから、最も知りたいのは雪道での効果です。
布チェーンの効果は?
本来であれば、効果はご自身で体験してみるのが最も確実ですが、残念ながら雪が降らなければ、その効果を試してみることはできませんし、それ以前に効果がわからなければ購入する気にもなりません。
自ら効果を試すことができなければ、布チェーンを実際に使用したことがある方の口コミを確認するのが現時点では最も確実でしょう。
そこで布チェーンの口コミを調べていたところ、布チェーンの効果がわかる貴重な動画を発見しました。
これを見る限り、予想以上に雪道での効果はありそうです。
口コミを確認してみると『スリップすることなく走れた』という高評価が多かった半面『急な坂道ではスリップした』といった口コミもありました。
布チェーンの耐久性は?
次に気になるのが耐久性です。
金属チェーンなどは、600kmほどの走行が可能だと言われていますが、最も有名な布チェーンのひとつでもある『オートソック』の走行試験では150km走行したという結果が出ています。(出展)
ただし、この結果はあくまでも雪の上での試験結果で、乾いた路面での試験は入っていません。
乾いた路面での走行距離を調べたところ、50kmほどという意見が複数ありましたので雪上の半分程度と考えた方が良さそうです。
これを踏まえた上で考えますと、乾いた路面と雪道が混在するような高速道路での使用はスピードと走行距離に注意が必要でしょう。
長持ちさせるには、スピードが上がる高速道路は避けた方が無難かもしれません。
想像はついていましたが、素材が布ですから耐久性は期待しない方が良さそうです。
布チェーンでのチェーン規制について
2018年12月より積雪のある道路を走行する際はタイヤチェーンを装着することが義務付けられました。
いわゆるチェーン規制と呼ばれているものですが、布チェーンを装着した場合はチェーン規制の対象になるのか?ということが気になりましたので調べてみました。
その結果、布チェーンでもタイヤチェーンを装着しているとみなすと国土交通省道路防災対策室が発表したことがわかりました。
つまり布チェーンを履いていれば、チェーン規制が発令されても走行可能ということになります。
ただし、経過観察という意味あいもあるようですので、状況によっては不可となることも考えられるようです。(出展)
ちなみにスプレー式タイヤチェーンではチェーン規制された道路では走行不可です。
まとめ
日本で冬にまったく雪が降らない地域はほとんどないと言われていますので、車を乗る方にとって雪対策は必要です。
しかし、年に1~2回の積雪があるかないかという地域に住んでいる方にとって、わざわざスタッドレスタイヤを用意するというのも、いかがなものかと思います。
そういった方々にとって、コンパクトに収納できて装着が簡単な布チェーンはいいのかもしれません。
価格は軽自動車用で5000円から8000円前後と金属チェーンと比べると割高ですが、突然の雪で積雪した道路をノーマルタイヤで走行しなくてはいけないといった緊急避難的な状況になった時に布チェーンは救世主となり得るのではないでしょうか。
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