車を選ぶ際に燃費の良し悪しはかなり重要となるポイントでしょう。
ガソリン1リッターで何キロ走れるか?というが燃費の基準で、1リッターで走れる距離が長いほど燃費が良い車ということになります。
燃費の良し悪しはそのまま維持費に直結しますから、燃費が良い車を選ぶのは当然のことだと思います。
では、軽ワンボックスの燃費はどうなのかが気になるところですが、他の軽自動車に比べるとハッキリ言って悪いです。
軽ワンボックスの燃費の相場は…
POINT
1リッターあたり約10km~15kmほど
この数値は近年の軽自動車の中では特に悪い数字です。
軽ワンボックスのカタログには、軽バンでも軽ワゴンでも15km/L~17km/Lくらいと表記されていますが、これはあくまでも計算上の数値ですので、当然、実燃費は下がります。
基本的には、カタログに表記されている燃費数値の60~70%が実際の燃費と考えておくべきでしょう。
軽ワンボックスの燃費はなぜ悪い?
軽トールワゴンなどの燃費はリッター20km以上は当たり前で、中にはリッター30kmという数値を出している車種もあります。
カタログ表記の燃費の60~70%が実燃費と考えたとしても、軽トールワゴンですと最低でもリッター20km近くにはなります。
それ対して、軽ワンボックスの燃費は最悪の場合には、軽トールワゴンの半分くらいしか走りません。
その理由は、軽ワンボックス特有の変速機のギア比と車重です。
軽ワンボックス変速機のギア比とは?
軽ワンボックスというのは、ご存知のように車体が大きいのが最大の特徴ですが、このデザインは本来、荷物を多く積むことを想定したものです。
多くの荷物を積む時はエンジンが低回転でも加速する必要がありますので、低いギア比(太いトルク)が設定されています。
そのため、エンジンを高速回転させると燃費が悪くなってしまうのです。
また変速機自体も、マニュアルミッション(MT)もしくはオートマチックミッション(AT)しかありません。
※近年になりMTをATのように扱える5速オートギヤシフト(5AGS)が追加されています。
現在では軽バンでも軽ワゴンでも、4速ATがデフォルトですが、以前は3速ATがデフォルトでしたので、さらに燃費は悪かったと思います。
それは重い荷物を積むことが前提で、スピードを出して走るのは二の次という考え方から来ているのでしょう。
軽トールワゴンは、人が乗ることが目的の車ですので、低いギア比を設定する必要がなく、変速機も近年では燃費の良いCVT(無段変速機)を採用することが主流となっています。
ならば軽ワンボックスでもCVTを採用すればいいと思いますが、重い荷物を積むことを考えた場合、プーリーをベルトで回すCVTではスリップしまう可能性があり、スリップが続けばベルトが切れてしまこともあることから、CVTは採用されないと言われていました。
※2018年に発表されたホンダのN-VANは軽バンで初めてCVTを採用しました。
軽ワンボックスの車重とは?
軽ワンボックスの車体が大きいというのは、最大のメリットではありますが、燃費にとっては車重が重くなるというデメリットにもなっています。
車体だけでなく、軽ワンボックスのエンジンの位置も車重が重くなる要因です。
軽ワンボックスのエンジンは、座席の下に配置してある場合が多いですが、駆動するのは後輪です。
フロントエンジンリアドライブのいわゆるFRになりますので、座席の下のエンジンから発生した動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトが必用になり、この重量もプラスされる分、さらに重くなってしまいます。
軽トールワゴンのエンジンはボンネット内にあります。
フロントエンジンフロントドライブのいわゆるFFになりますので、プロペラシャフトが必用ないため、車重も軽くなります。
ただし4WDの場合はFRでもFFでも必ずプロペラシャフトが必用になりますので、車重も重くなることから燃費も悪くなります。
まとめ
軽ワンボックスの燃費は他の軽自動車と比べれば、確実に悪くなりますから、燃費だけで見た場合、軽ワンボックスに乗るという選択肢は無くなるでしょう。
燃費が良くて、車内も大きい軽自動車なら軽トールワゴン一択で間違いないと思いますが、燃費が悪くても広い車体を活かした使い方が軽ワンボックスにはありますので、どこにフォーカスするかが車選び決め手となりそうです。